さて、レッスンの後に行ったパーティは、もう一人のわたしの最初からの師匠、ユスフ・クンバサ先生*のパーティでした。お子さんが間もなく生まれるというので「Baby Shower」パーティ**でした。昔から知っている、ギニア人たちのアーティストやダンサーが集まっており、アイボリーコーストのダンサーたちも顔を出していました。そして、コアなアメリカ人のダンサーたちも・・。
場所はブルックリン***の馴染みの少ないエリアでした。わたしもブルックリンに住んでいたことがありましたが、もっと北側でしたので、このエリアはよく知りませんでした。それに以前は車を運転していたので、マンハッタンの外では電車にほとんど乗ったことがなかったのです。人に聞きながら、初めて行った駅で降り、ちょっと心細い気持ちで2〜3分行くと大きな建物があって、その2階から音楽が聞こえてきました。そこは広いホールで、中は熱気で満たされていました。
パーティはギニア式で行われ、周りのアメリカ人が「あれはなにをしているの?」と何度も聞いてくるほど、伝統的なパーティでした。太鼓の演奏があり、参加者が輪の真ん中に入って一人ずつ踊り、歌手が即興でその日のことを歌に歌ったりします。床が固かったので、わたしは足首を配慮してあまり踊りませんでしたが(実はもっと踊りたかったけれど周りに「そのくらいにしとけ」と、止められた。笑)NY近辺に在住する、国立舞踊団やメルベ舞踊団といったギニアを代表する素晴らしいダンサーたちが、次々と迫力のダンスを、美しい衣装で踊るのを、楽しく見させてもらいました。
一番おかしかったのは、パーティも佳境に入ってきた時のことです。それまで美しい衣装をまとって大人しく座っていたユスフ先生の奥さん(マリアム・カマラさん)が、大きなお腹で立ち上がって踊り始めたことです。もう臨月で踊ってはいけないのに、我慢できなかったのでしょう。彼女も、国立舞踊団の出身で、彼女がギニアにいるときから、わたしがず〜〜〜っとファンだった人です。「超」が3はつくほど、恰好いいダンサーです。みんなががんがん踊っているのを見て、良い音楽を聞いて、つい立ち上がったのでしょう。でも、周りが「だめだめ!」と力づくで彼女を引き戻しているのを見て、わたしは爆笑してしました。
全身を使って自分を思いっきり表現しながら踊る西アフリカのダンスの醍醐味と、美しい女性たちを、たっぷり見せていただきました。いきなり現れたわたしにユスフ先生は驚いていましたけれど(笑)喜んでくれました。とても素晴らしい一日でした。
マリー・バス先生とムミナトゥ先生のクラスといい、なんだか、自分がこれまで歩いて来たアフリカンダンスの道を、す〜っと振り返ったような気持ちになる日でした。そして日本に戻って来る前に、沢山のエネルギ−をいただきました。
Thank you New York City. Thank you dance and music of West Africa!!
座って大太鼓を叩いているのが、カラモコ・カマラさん。彼の大太鼓は必見。みんな、大興奮して踊っていました。右側が彼のパートナーのマンゲ。2005年に日本に来ました。とにかく、タイトで良い音でした。上の写真は、マリアムさんにシンガーが彼女を讃える歌を歌い、みんながお金を渡しているところ。頭に大きなかぶり物をしているのが、マリアムさん。あ〜、憧れの人です。
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*ユスフ先生は、ギニア国立バレエ団とバレエジョリバ出身で、アメリカ在住の屈指のアフリカンダンサーそして教師。アメリカでギニアのダンスを広め、絶対的な信頼を集めています。わたしは、学生のころこに先生の踊るのを偶然見て、アフリカンダンスの世界に入りました。まるでなにかの精霊が踊っているかと思い、涙が出たのを今でも覚えています。
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*Baby Shower Party というのは、子どもが生まれるときにするパーティで、友人たちが集まり、お金や、子どもが生まれるときに必要なものを渡して、安産を祈ります。アメリカ人は女性だけで集まってもう少し静かにやりますが(笑)、アフリカ人は、男女両方集まって、太鼓を叩いて踊ったり歌ったりします。日本にもあるのでしょうか?あると助かると思いますけど・・お金やベビー服や、そしてなんと言っても、周りの人たちから知恵と勇気がもらえます。
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***ブルクックリンはNY市の5つの区のひとつで、主に住宅街。かなり広くて、エリアによって住人の人種や雰囲気がまったく違う。
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