国内線というのは、気安い。このところ国際線ばかりに乗っていたから、手荷物検査やいろいろが面倒でそれに慣れていた。ところが、国内線は緩い。そして、飛行機の中もがらがらでゆったり。ただ、喜んでばかりもいられない。JALで飛んだけれど、経営難。スチュワーデスさんたちは、みんなきれいにお化粧して、優しい笑顔。一機飛ばすのに、相当の燃料と経費がかかるはず。わたしの昔の上司、オノヨーコさんは、書いてもよいとおもうが、NYから5〜6時間でゆけるバケーション地のカリブに行くのに、ジェットを借り切っていた。滑走路とジェット飛行機一台で、片道数千万円した。そう、百万のファーストクラスに一生のうち乗れるか乗れないかの庶民とは全く違う生活である。ま、それは、良いとして、とりあえず、ジェット機が一機飛ぶのにはかなりのお金がかかるということである。日本の飛行場は整備もされているし、それだけでもお金がかかる。しかし、ひとり1万5千円くらいの飛行機代しかはらわず、客は数十人。これでは、採算があうわけがない。これからは、本当の意味でスローライフが求められるんだろう。あちこち、飛行機でいつでも行く時代は、終わりがくるのかも知れないな、と感慨にふけった。
飛行場に着いてホテルに向かうのに地下鉄に乗ったら、目の前にこの広告。コンサートの告知である。キョードー西日本というのは、このあたりでは一番大きな企画会社だが、昔からあった。そして、大きなコンサートは大抵ここが仕切っていた。電車の中にこの広告がまずあるあたりが、さすがに音楽の町、福岡だ〜、となんだか感動した。
上司の命令で(笑。でもホント)出演者のスイス人たちを温泉に連れて行き、さんざん満喫した。スイス人やドイツ人は、スパに慣れていて、町のあちこちにサウナ付きのバスハウス(共同浴場)があって、風呂には慣れている。みんなで楽しんだ。外にも温泉があって、とても気持ちのよいところだった。裸で横になれる空間が外にあって、ほてった体をゴロンと横たえたら空が見えた。「あ〜、父ちゃんが空に帰ってゆくな。」としみじみ感じ、また涙が出てきた。この写真の店は、温泉の前にあった。果物や野菜があった。
温泉の前のジム。ここも東京と違って広々としていて気持ち良さそうだった。夜がふけるまで、スイス人たちと(彼らの通訳/ケアが今回のわたしの仕事。)演劇のこと、今回の仕事のこと、チューリッヒの話、演出について、コスチュームについて、いろいろ話しをして、終わった。
旅は好きだし、ホテルに泊まるのも普段は好きだけれど、今夜はなんだか辛い。市内中心部にある、きれいなホテルなんだけれど、、、家で寝たいな、と思った。とーちゃんの死が堪えている。身内の死は、まだ数えるほどしか経験していないが、つくづく辛いものだ。けれど、この痛みを抱えたまま眠るしかない。いつか癒える日まで・・・。おやすみなさい。
コメント