台風が去ったせいか、梅雨の合間なのか、天気予報もなんだか曖昧な感じだが、とりあえず、東京地方は今日、少し晴れ間が覗いている。雨だった昨日はピザを宅配してもらい、DVDを三本見て、昼寝もして・・とにかく、ぐーたらざんまいしたので、今日は、朝からまたバタバタしている。図書館に本を返却しにゆき、DVDも返却し、食料品を買い、花屋で鉢植えを買い、家賃を払いにゆき・・・今は、洗濯物が洗濯機で回っている。この頃、運動量がまた増えたので、洗濯物もぐんと増えている。今夜もダンスの練習があるので、とにかく、洗えるときに洗っておきたい。
天気でこれほど生活が左右されるとは、以前は知らなかった。NYにいたときは、乾燥機つきの洗濯機が24時間家の中で使えたし、料理もほとんどしなかったし、車を持っていたので、雨が降ってもあまり関係なかった。とにかく、「生活」ということをあまりしたことがなかった。乙女とオヤジと芸術家が圧倒的に支配していたのだ。必死におばさんを育てているこの2年くらいだけれど、この頃、巷のおばさんの生態系を知って驚いている。
今朝、自転車で家を出たのだが、出た途端に後ろからお隣のおばさんに追い抜かれて「はいはい!がんばって漕いで漕いで〜!じゃぁね〜〜!」と叫ばれた。途中でも、もの凄いスピードで走り抜けるエプロン姿のおばさんたちがいて、のんびり行くわたしは何度もぶつかりそうになって、ひやりとした。それでわたしは諦めて自転車を降りて、押しながら歩くことにした。花屋でも、花を鑑賞したり、店主のおばあさんと話すわたしにイライラ気味で、背中越しにポンとお金を置いて花を買って行ったおばさんもいた。雨が上がったこの時間を少しでも無駄にしたくないのだろう。町は、おばさんたちの勢いで少し殺気立っている感じだった。これとは対照的に図書館では、オヤジたちがたむろして、ぼや〜っと本を読んでいたというのに、いや、おばさんたちっていうのは、忙しいもんなんだな〜。それにしても元気だな〜、と少しフクザツな気持ちを抱えながら観察している。
しかも、もっとビックリしたことがある。最近、体力増強ため、近所のジムに通い始めた。スタジオでヒップホップとジャズのクラスをやっていたので、受けてみた。そうしたら・・なんと、近所の山崎パンのおばさんが、一番前の真ん中でがんがん踊っていたのだ。いつも、ぼんやりした色のピンクの割烹着をきて、驚いたような、怖がっているような顔をしてカウンターに立っている、静かなおばさんが・・・。わたしは、一番後ろの列で踊りながら、世の中っていうのは、やっぱり、一見しただけで決めつけてはいけないんだな〜、と思った。
女たちの仕事には終わりがない、という言葉がアメリカにあるが、本当にそうだと思う。そして、女はいくつになっても女なのだ。そうして、花屋のおばあさんが最後に言ってくれた言葉がこころに残った。
「植物はね、夜、外に出して夜露をあててあげると元気になりますよ。そうしてあげてください。」
夜の気配のなか、降りて来る露を浴びて生き返る植物が浮かび、なんだか深淵な気持ちになった。
今夜は、新月だ。クリスタルを塩水につけて外に出すのと同時に、家の中の植物をみな外に出してみようと思っている。生活の中で育み、伝えられて来た女の知恵が、わたしは好きだ。
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