昨日のこと。
お昼にピンポーン!と玄関のチャイムが鳴った。
元旦から誰?と思って出てみると「宅急便で〜す!」と言って、ちいさな荷物が届いた。
ビックリした。
なんと、無造作に茶色い紙に包まれた重箱・・・。
中には、ところ狭しとご馳走が入っていた。
鯛、百合の根、くわい、数の子、その他いろいろ。
母の手作りだ。
多分、二重にして送るのは大変だから、無理矢理一重に入れたのだろう。
母の思いがぎっしりつまっていた。
美味しかった
あたしのおばさんは、まだまだ駆け出しの修行中でさすがにおせちは作れない。
けど、このおせちのお陰で、昨日と今日は料理をせずにすんだ。
特に、昨日は一日ソファの上で本を読んで過ごして満喫。
お腹が空いたら起き上がっておせちとお餅を食べては、また読む、という贅沢な時間が過ごせた。
外も静かだったし、幸せだった。
読んでいるのは、オバマの半生記。
自伝だけれど、なかなか!これが面白いの。
最初はオバマさんが大統領候補として出てきても、あんまりわたしは深く注意を払わなかった。
政治家というのは、いろいろなイメージをメディアを使って作ってくるから、いちいちそんなの信じてられない!っと思ったから。
それに、民主党が女性候補と黒人候補で割れるのも嬉しくなかった。
でも、このひとちょっと好みとだんだんスピーチを聞いたりするうちに思った。
それで、さっそく魔女に頼んで、占星術で調べてもらったりした。
相性、ピッタリ!(笑)。
なるほどね〜、でも、なんだか瞳が暗いのが気になるわ、と思っていた。
この本を読んで大納得。
あたしは、前半で何度も何度も泣いた。
白人と黒人の混血である彼にはこころの居場所がなかった。
その葛藤が、あたしの「どこにも属せない」孤独感と重なった。
きっと多くのひとが、彼と自分の姿を重ねたんじゃないかしら。
いまの世の中、みんな、孤独を抱えているもの。
自分にはどこにもこころから安心できるところがない、とどこかで思っているもの。
そして、このことはおやじがきっと後で語るから置いておくけれど、彼は孤独をそのままただのセンチメンタリズムにしておかないで、理性と深い洞察力とで、理想の政治をこころに描き、行動に移して行くのだから・・・
そこがまたステキ。
いつか会いたいな〜。
このひとを大統領にしたアメリカには見込みがある、とあたしはまたアメリカに帰りたくなった。
いま、東京でやっていることをすべてほおり投げたい気分に一瞬なった。
九州に戻り、美味しいものが毎日食べられるいい生活をして(東京は食べ物が最悪にマズい!)、写真を撮り、文章を書いて生活し、NYと九州を行き来する生活、あぁ〜いいじゃない!
おやじと芸術家が「こらこら!」となだめたので、全然やる気になれなかったけれど、エクササイズして歌の練習したら正気に戻った。
とにかく、おやじと芸術家と「アイツ」が納得するまで、ここで頑張るしかないみたい。
ゆるやかな生活が好きなあたしとしてはときどき不満だけれど・・・なんとかバランスとってみようと思う。
オバマさんの本については、もし日本語版が出ているのなら、または英語が読めるのなら(全体に表現が固くて、難しい英語も出てくるけど)読んでみて欲しい。
だんぜん、いい。
そして、この国に必要な政治家はどんなひとか・・一緒に考えない?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(乙女)
Barack Obama "Dreams from my Father"
Three Rivers Press 1995
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