久しぶりに占星術のお話。ずっと、月のことも星々のことも書いていませんでした。このところ、地上のチリにまみれて、宇宙からのメッセージをお伝えする余裕がなかったのです。けれど、この満月が近づき、そして、もうすぐ水星も後退するのも手伝ってか、ひさびさに、書きたくなりました。
今夜、5日の夜中の1時頃に日本では月の満月を迎えます。今夜は、鈴虫の鳴くベランダで時間を過ごしてみようと思います。そう、ゆっくりするときです。水星の後退は、慌ただしい日々に少し休憩をし、振り返ったり、整理したり、体やこころのケアをするときです。そして、この満月。
この月は、誠実さ、整理整頓、秩序、正義、技術、コミュニケーション、まじめさ、勤勉、奉仕、などを現す乙女座にある太陽によって照らされています。一方魚座は、イマジネーション、死を超えた世界、精神社会、芸術、魂、音楽、夢、幻想、感受性、などを現します。
この島、そして国のひとびとはまじめです。ものすごく働きます。そして、従順。先週、なぜか、何度も電車の事故に遭遇し、帰りが夜中過ぎになることがありました。一度ではなかったので、なにが起こっているのだろう、と思いましたが、水星の後退が近づいていたのですね・・それは良いとして、とにかく、そのときの周りのひとたちの反応に驚きました。「おとなしい」のです。そして、流れに身をまかせ、じっと我慢しているのです。
わたしは、新宿で火災があり、電車が動かない、というアナウンスを聞いてすぐに反対方向の電車に乗り、違う路線を乗り継いで秋葉原まで行きました。ものすごい遠回りでしたが、なんとか行き着き、そこから家に戻るまでの電車を待ちました。ところが、その途中でわたしと同じような境遇のひとに会いましたが、みんな、ただ、じっと待っているのです。わたしのように、違う路線を探して、走り回るひとはまるでバカのような気がしたくらいです。「あら、やっぱり電車来ないんですねぇ・・」と呑気に言うひともいました。わたしはその女性に手をふって別れ、違う路線を探しまわりました。そして、とうとうたどり着いた秋葉原駅のホームは、ものすごいひとでごったがえしていました。ちょっと誰かが後ろから押したら、みんな雪崩のように線路に落ちそうでした。あんな光景は生まれて初めて見ました。
これが日本、そして東京・・・呆然としました。
電車は来ませんでした。10分待っても、20分待っても。とうとう、予定の時刻をとっくに過ぎた、1時半頃に電車が来て、最寄り駅に着いたのは午前2時くらいでした。事故や遅れは、人間のやることなので、さして驚きはしませんでしたが、なんと言っても誰も何も言わないで羊の群れのようにじっとしていることには、不思議な印象を持ちました。そして、臨時の列車や、バスが出なかったこと。全部で2時間以上の遅れがあり、しかも、一日働いて帰る最終に近い電車でしたので、みんな疲労困憊のはずなのです。わたしの足も腫れてパンパンになっていました。なのに、誰もなにも言わないし、そのせいか、臨時バスも列車も出ないのです。
周りのひとたちにわたしは聞きました。「最近多いですね、ダイヤの乱れ。それにしても、臨時バスとかでないんですね。みなさん、疲れているはずなのに。」そうしたら、隣にいた男性が応えました。「もう、みんないっぱいいっぱいなんですよ。だから、事故が続くんです。臨時便?出ないんですよね。出てもいいはずなんですけど・・・」そして、また、静かにうつむいて待っていました。
従順さ、勤勉さは、乙女座の象徴です。わたしは、この国が水瓶座の国であることに驚きを感じたくらい、きっと日本は乙女座だろう、とばかり思うくらいの勤勉さです。(確かに水瓶座=私には、仕事中毒の気はあるけれど・・従順では決してないし、いわゆる勤勉というのとも違う・・笑)しかし、もう、みんな本当にいっぱいいっぱいです。どこの現場でも悲鳴が聞こえてきています。
休みましょう。水星も月もそう言っています。
この満月は、少し休むこと、後ろに下がること、「生産性と効率第一」から一歩身を引くとき、昼寝をするとき、そして、なんと言ってもわたしの中で大ヒットの、お風呂に入るとき(笑)です。魚座は、水をも象徴します。先週から銭湯にハマっていたのは、あぁ、やはり宇宙のメッセージだったのだ・・と改めて納得したくらいです。
このところ、わたしもずっととても忙しく、嵐の中を生きてきました。これからもそうでしょう。来週の月曜から、また、新しい仕事も始めます。けれど・・・その中でも、今はほんの少しでも良いので、ゆったりする時間を見つけるときです。夜に鈴虫の声を聞くのも良いでしょう(魚座は音楽を現しますが、虫の声はbeautiful music)。普段より少し多めに睡眠をとったり、ちょっとした旅行にでかけたりするのも良いでしょう。
そして、断然、銭湯に行くのをオススメします。銭湯の存在は世界の中でも希有というだけではなく、この島の持つ素晴らしい風習だと思います。過去からの遺産であるそれを、改めて発見すること(乙女座)。広い浴槽で日頃のストレスや迷いや悩みを忘れること。そして、なにより魚座の象徴である「壁をとること」をしてくれる存在だとわたしは考えます。裸になり、社会的に「誰」であるか(おとめ座)を捨てるのです。そして、水と、自分の魂と、ほかのひとびとと繋がるのです。
先日、80歳は過ぎているだろうとおぼしきおばあさんとお風呂で一緒になりました。もう、体中はしわくちゃで、肌にはシミもが沢山。あぁやって、人間って年をとるものなんだな、わたしもいつかあぁなるのだろうな〜と思いました。けれど、見ていて気づいたのは、なんと、彼女の乳首がピンク色だったのです。働き、子供を産み、雨風にさらされてきて、しわしわの体。でも、乳首だけは鮮やかな、桜の花色だったのです。そして、しわくちゃでシミだらけの体を彼女は、鏡に何度も自分を映しながら、足先から頭のとっぺんまで、丁寧にきれいに磨き上げていました。わたしは、浴槽から、洗い場のそのおばあさんをみながら、言葉にできない感動を覚えました。
生きるって言うこと。時間を重ねるということ。日々を誠実に生きること。その秩序ときまりと限界(乙女座)の中には、実は、それを超えたなにか(魚座)があるってことを・・・銭湯は教えてくれると思います。まじめさも、従順さも、勤勉さも、奉仕精神も、すべて大切です。けれど、たまには休むことによって、逆に効率もよくなりますし、働く意欲も出てきます。日本のひとたちは、本当に生真面目です。今日も、ある場所に急いで行かなくてはならず、ぎりぎりにバスに乗り、運転手さんに「2時までにXXまでに到着するでしょうか?」と訪ねたら、真剣に考えて「3分前には着くと思いますが、大丈夫でしょうか?」と聞いてくれ、うなずくと、ものすごく一生懸命運転してくれました。それが、ドアの開け閉めや、発進するときの勢いでわかるのです。あぁ、この運転手さんは、時間に間に合うように運転してくれてる・・こういうところは、本当に日本のひとの優しさというかまじめさだな〜と感動しました。
いえ、アメリカのひとも優しいですよ。特にNYのひとたちはとても優しく、それをいつも表現してくれるので、大好きな街です。けれど、日本のひとたちは、本当に誠実なのです。ただ、それが嵩じてやりすぎ、「こうしなきゃ」「あぁ、しなきゃ」と「しなきゃ」の鎧で自分の首がまわらなくなり、夜になると大酒飲んで大変なことになるのです。今日もお昼のニュースである60代初頭の男性が、酔っぱらって見ず知らずの人を刺して殺してしまった、というニュースを聞きましたが、日頃からよほどなにかを溜めこんでいたのだろう、と思いました。そして、この国ほど、都会が清潔で、電車が時間通りに動き、ひとびとがまじめで、賄賂や闇の社会がはびこっていないところも世界でも少ないと思います。けれど、その反面、この国ほど、夜酔っぱらいがそこらへん中に転がっている国も、ほかにはないのです・・・。わたしも最初は驚きましたが、外国人は異常にビックリします。だって、大の大人がスーツ着て吐瀉物にまみれたりして、意識を失ってそこらあたりに転がっているのですから・・・異様です。お酒は、魚座のシンボルでもありますが、自分を失うほどに飲まなくてもこころも体も解放されるのが理想。それを、この満月は見せてくれます。
休みましょう。お風呂にはいりましょう!そして裸になりましょう。裸のひととふれあいましょう。「いい子」の仮面や、制服や、スーツや、規則でがんじがらめの生活や、まじめさを(全部乙女座)たまには脱ぎ捨てて、時間と空間と理屈を超えた自分の魂に憩いの時間を与えましょう。自分の音楽を奏でましょう。わたしはもちろん・・・・銭湯に行きます
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「今日の3枚」にも書いたように、このところ携帯電話カメラの設定ボタンを間違えて押していて、写真がみんなピンぼけです。申し訳ないのですが、逆に、この異様なエネルギーが伝わるかもしれないとも思いました。上は、電車が遅れてパンパンになっていた秋葉原駅のホーム。2番目の写真は、電車で眠りこけている男性。
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