アメリカ政府の計画のひとつに、火星移住というのがあるそうだ。火星の探索をしたり、研究をしたりするのは、その一端だそうだ。その話しを聞いたのは、数年前のアメリカでだったけれど、アメリカでは知られたことらしい。
それにしても・・・無理だろう、とわたしはすぐに思った。人間、そんなに簡単に環境を変えられるものではない。わたしは、アメリカと日本の間を行ったり来たりするけれど、それだけでも、かなりのストレスがかかる。5番街で買い物して、ヤンキースタジアムに行くだけならまだ良いけれど、生活したり、人と関わったり、現地の言語を話したりすると、こころも体も変化に順応しなくてはならないので、それなりの労力がかかる。人間は時差も感じるし、空気の違いや、水の違いにも敏感だ。
アメリカに30年以上住んでいても、英語が下手な人も知っている。日本を離れていながら、日本人としかほとんどつき合わず、日本の会社で働き、日本のテレビを見て、日本語の本を読み、日本の食べ物しか食べない。そんな人は珍しくない。それほど、変化というのは、人間にとって大変なものなのだ。
太陽の照りつけるオーストラリアに住む白人は皮膚ガンに悩まされるらしいし、日照時間の少ないヨーロッパに住む黒人はビタミンBの欠乏でさまざまな病気になりやすいらしい。皮膚のメラニン色素の量が、環境に則していないので起こるという。NYの黒人たちも、長い冬の間、鬱になりやすい。数千年という時間をかけて培った肌の条件を無視して、船や飛行機でまったく違う環境に短期間に移ったからだ。
それを、火星・・・?
ありえない・・
地球上に人間がどれだけの間住めるかは分らない。多くの予言者が、そう長くはないだろうと言っている。あと1000年くらいじゃないか、といっている。科学者も多分、危惧しているのだろう。本当のところは知らない。ただ、いつか住めなくなる日は必ず来ることだけは確かである。存在する限り、永遠はありえないのだ。だから、他の惑星への興味は理解できなくもない。けれど、移住はこの肉体をもっては無理で、他の方法だろう、と場所を移動するたびにわたしは思う。
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上の写真は、去年こちらに来たときに撮ったものが、PCに残っていたものをアップしました。空港からマンハッタンに入る途中の風景。クイーンズという、NY市内の区で、住宅街。
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