つい最近まで鳴いていなかった蝉が庭で鳴き始めました。昨日、寿命つきそうなのが一匹ベランダでひくひくしていたので、さっき見たら、地上での命を終えて、お腹を上に向けていました。強い日差しの中で洗濯物を干していたら、「あ〜日本の夏だな」と感じました。
日本の夏は、スイカ、原爆、絵日記、蝉、高校野球。
さっき、スイカをスライスして、ベランダでぼたぼた汁をこぼしながら食べ、庭に向って、種を飛ばしましたが、なぜか、昔より下手になっていました。子供のころは、プッと吹くと、遠くまで飛んで行ったものです。
今年はオリンピックも重なり、なんだか、イベントが沢山ありますが・・戦争の陰が少し薄いのが、わたしはちょっと怖い気がしています。日本は、被爆した国として、伝えて行く責任があると思うのですが・・・アフリカの吟遊詩人、日本の琵琶法師、そして年寄りが囲炉裡端で子どもにお話を聞かせてきたように、物語をひきつぐのは、人間の大切な仕事のひとつだと思うのです。どこのニュースもトップは、オリンピックで、今日は長崎の原爆記念日ですが、ニュースでは二番目に来ていました。
オリンピックの開会式は、眠りそうになるのを我慢して最後までみましたが、さすがにチャン・イーモウ監督が指揮しただけあって、美しく、中国らしく大胆なものでした。チャン・イーモウ監督の『黄色い大地』という映画をずいぶん昔に見ましたが、その映画でも、太鼓を打ち鳴らしながら男たちが大地の上を行進するシーンがあり、美しかったのを覚えています。これまでで最大の参加国204カ国が参加するという今回のオリンピック。多くの、犠牲と、事件のあとに、実現したオリンピックですが、世界のひとたちが、集まるって素敵だなと思いました。
それから、入場の順番が、国の名前のアルファベット順ではなく、漢字で書いた場合、画数が一番少ない国の順から入場したのに、わたしは、中国人の誇りを感じて嬉しく思いました。最初に入って来たのは・・なんと、ギニアだったので、手を叩いてしまいました(笑)。なんにしろ、すべて西洋をマネし、周りの目を気にしながら、誇りを捨てて生きて来た日本としては、やはり、少し中国を見習ってもいいのではないか、と同じアジア人として、誇らしかったのです。
ただ、この中華思想(漢民族が中心の思想)が、チベット民族や他の少数民族への抑圧となり、オリンピック参加人数一番のアメリカが起こした戦争が今だに続いていて多くが苦しんでいることを、蝉の声の中に思いながら、スイカを食べ終わったわたしでした。
スイカはリコピンを始め、多くの栄養素やビタミンが入っているし、利尿作用もあるので体に良いそうですよ。体も冷やします。エアコンより、スイカ。ビタミン剤より、スイカ。スイカ食べて、昔を思い出し、スイカ食べて、世界情勢を思い、スイカ食べて、種を飛ばす・・やっぱり、夏は、夏のものを食べる。これに限りますそれにしても、とても夏休みな、日本の夏、の感じの今日なのです。
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