緒方さんの死でいろいろなことを思い悪夢まで見て、涙はボロボロ出るし、ど〜んって気分が落ち込んでいましたが、昨日から計画していたいちじくジャムを作ることにしました。
わたしは、秋の果物はみんな好きで、特にブドウとイチジクに目がありません。
小さなころ、知りあいの家のイチジクの樹の下にずっと座って食べ続けていました。
さ、帰りましょう、と促されてもじっと樹の枝に座って手の届かないところにある実を見つめていたのを思い出します。
母はそんなわたしを覚えていて、いまでもイチジクを見るたびにわたしを思う、と言っています。
両方とも地中海の食べ物で、多分、前世の好みが引き続いているような気がしています。
アメリカではイチジクはどちらかというと高級果物です。
ちょっとしたコース料理の最後に出てきて、ナイフとフォークで食べたりします。
もう、季節が終わりに近づいており、秋の雨が続いているので美味しいイチジクはもう出回っていない、と分っていても店頭で見るとつい買ってしまうのが性分。
昨夜も買ったのですが、やはり美味しくありませんでした。
で、コンポートにするかジャムにするか悩んだ末、ジャムにすることにしました。
砂糖に1時間ほどまぶしておき、泣きはらした目で25分ほどそっとかき混ぜながらレモン汁と少しの白ワインと一緒に煮詰めました。
砂糖はレシピの分量より少なめにし、なるべく早く食べきることにしました。
皮が残っているところもあり、歯ごたえもあって美味しくできました。
色もきれいなピンク色です。
世の中では、死と生のはざまでいろいろなことが起こります。
でも、たった25分、イチジクを木べらで混ぜ、ゆったりと登ってくる蒸気と香りをたのしんでいるだけでこころが落ち着き豊かさを取り戻します。
このジャム、美味しいパンを入手して、今夜の練習で音楽仲間たちと一緒に食べようと思います。
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