昨日の午後飲んだチコリーコーヒー(チコリーという苦い野菜の根っこのコーヒー風味飲料。カフェインがダメなわたしでも飲めるし美味しいし胃腸にも良い薬効もあるのでお気に入り)のカップと、その隣りにあるのは、今回NYで買って持ち帰ったメープルクリームです。
ご存知のように、メープルシロップは北米に生息するメイプルツリーの樹液を煮詰めて作ったものですが、それをもっと煮詰めてペースト状にしたものです。これをもっと煮詰めると、メープルキャンディになります。これだけのクリームを作るのにどれだけの樹液がいるかというと、多分トン単位です・・。そのありがたい自然の恵みを美味しくチコリーコーヒーといただきました。優しくて上品な味がします。
この頃気付いたことがあります。静かな時間を持つことが多くなったな、と。どうも、今回NYに行ってこころが落ち着いたようです。ずっと、離婚やいろいろが重なって落ち着きませんでした。日本にもなかなか慣れず、ストレスも溜まっていました。そして、ひとりでご飯を食べるのにも慣れず、寂しさとこころのフツフツとで、いつもテレビを観ながら食事をしていました。
こころ寂しい一人暮らしの年寄りみたいだな〜と自嘲していました。でも、静かにしていることへの不安がどこかにあったのです。自然の周りの音を聞きながら淡々と食する山奥の屋敷の侍のように、きこりのように、食事ができたらいいのに・・と憧れていました。自分のこころの乱れは自覚はしていたのですが、それをどうすることもできないでいました。今回、NYに戻り、いろいろ友人たちと話しをしたり、自分を振り返る時間を持ったり、瞑想を繰り返したりするうちに、穏やかになる自分がいました。NYでも、ひとりで食事をすることが結構あったのですが、ラジオもテレビもつけず、ただ静かに穏やかに食事をしている自分にいつか気付いたのです。
こころの乱れや不調は、食事の態度や内容といった、些細なところにサインが現れるものだと思います。
日本に戻ってきたらまたもとのフツフツになるかと思いきや、静かなままです。良かったな、なにかを乗り越えたのだな、と感じています。毎日やることが沢山あって、頭が混乱しそうになることも時々ありますが、静かな幸せというか、その時々を幸せに生きる方法をやっと身につけられたような気がしています。ま、それでも、慌てたり、不安になることもあるのですけどね・・ふっと我に返るようになったのです。
どこかで読みました。『この頃は世間も慌ただしく、こころが荒みそうなことがあるだろう。けれど、集中することを忘れてはならない。なにかに邪魔されたり、思わぬ出来事に惑わされたりすることもあるだろう。また、やることが沢山あってこころが落ち着かないこともあるだろう。目の前のことに翻弄されることもあるだろう。けれど、自分が今どこにいて、なにをしようとしているか、に立ち返ることだ。やっていることに集中することだ。そして、すべての瞬間を精一杯生きることだ。惑わされてはならない。』
サクラも咲きました。暖かくなりました。みなさんがどのような生活をしていらっしゃるかは存じませんが、慌ただしい現代生活の中で、ささやかでも良いので静かで豊かな魂と肉体の歓ぶ時間が一日に少しずつでも持てていることを祈ります。そして毎日の食事が美味しく、穏やかに、愛する人たちと、または愛すべき自分と食べられていることを祈ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おばさん
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