牡牛座は、現代社会では分りやすい星座であり、また、わりやすい分だけ誤解もされている星座かも知れません。快楽と愛と肉体と芸術の星座です。お金や地位を現す星座でもあります。
分りやすいのは、目に見えることです。肉体もお金も地位も、分りやすいものです。快楽も直接的な感覚です。芸術も形になります。けれど、モノにはこころ宿っている、またはもしかすると、こころがあってこそ形が存在する、という面が忘れられがちなのが、牡牛座の誤解であり闇の部分です。ただ、肉体だけを磨けばいいということではなく、精神性が肉体に現れてしまうので、どちらも大切にしなくてはなりません。精神性の伴わない快楽には、退廃と精神の腐食が伴います。また、お金を作るのはそれはそれで良いことですが、ひとによっては、お金を憎んでいるのではないかと思うほど、貧乏したがるひともいます(笑)。清く正しく生きること=お金のないこと、というふうに。でも、それは、お金にも精神性が潜んでいることを忘れていて、表面に現れる欲望だとか争いだとか執着心だけに目を向けるからでしょう。お金が沢山あったら独り占めせず、余分は社会や困っている人に還元すればいいのです。また、持っていたらきちんとエンジョイして、失うことを恐れる亡者になったりしなければいいのです。けれど、人間、なにかを持つと、失うのが怖くなるものです。だから、振り回されるのです。執着心が生まれるからです。だから、分りやすいようで、非常に難しいのがモノであり肉体であり性であり生なのです。それを象徴するのが牡牛座なのです。
わたしの知っている牡牛座のひとたちは、非常に執着心が強くてルックスを気にしたりファッションにこだわり、性や生にも執着するか、逆に、まるで修行僧のようになにも持ちたがらないか、極端に別れています。快楽と贅沢の極みの後に出家し、自分の思想の道を切り開いたブッダは、ちなみに牡牛座でした。精神性のなかにも「形」を生み出すのが牡牛座でもあります。
ところで、先日、乙女が「お顔の手入れをしている」と書いていましたが、牡牛座は自分のルックスについて気を配るのに最適な星座です。けれど「わたし」はあまり、普段肌や肉体の手入れはしません。踊りのためにトレーニングをしたり、筋力やバランスについては人一倍気を配るとおもいますが、ルックスについては、ほとんど配慮しません。化粧品もほとんど持っていません。自分で石鹸をつくったり、化粧水を作りますが、これは生き方の問題です。わたしは、ルックスに関しては、牡牛座の修行僧のように構わないできたのです。
すると、周りの牡牛座のルックスと美容にこだわる女の子たちが言うのです。「なんとかしたら?顔立ちがいいから、そんなに構わないの?あなたの顔の状態、酷いわよ。わたしがあなたの顔だったら、もっとちゃんとするのに・・」そして、手入れの方法や化粧品のことを教えてくれたりするのです。それでも無視してきました。一日に顔を二回洗えばものすごく上等で、一回だとエラくて、ゼロ回だと「明日があるさ」でした(笑)。
ところが・・・乙女が悲鳴をあげたように、2週間くらい前のある日、そう、天秤座の満月のころでした。(天秤座は、美と顔を特に象徴し、満月は日頃のツケや結果が現れるときだから、星はやはり正直・・)顔がつっぱって仕方ないから鏡を見たら・・・顔中に湿疹ができて、皺だらけになっていたのです。これには驚きました。去年から、いろいろ考ることが多かったり生活にも変化があったりして、ストレスが高くなっていました。そのせいもあるでしょう。けれど、ホントに長い間、手入れをしていませんでした。最後に乳液を購入したのは、多分6年前です。しかも、一回こっきり・・。わたしの顔は、その間に離婚や別居やいろいろのストレスがあったにも係らず、完全に放置されていたのです。
それにしても、顔中痒いし、ぶつぶつだし、皺だらけだし、つっぱるし・・・困りました。朝起きた途端から痒くて不愉快なのですから。ほとんど鏡を見ないわたしが、見るハメになりました。そこに写っていたのは、ストレス皺とぶつぶつにまみれた無惨な顔・・。それで初めて、You Can Heal Your Life の『顔』のセクションを読んだのです。一体全体、顔ってなに?と思ったからです。そこに書いてあったのは、
顔:世の中に見せている自分
でした。なるほど・・・わたしは、世の中に「わたしはわたしのことなんてどうでもいいですよ」っていう自分を見せていたのか・・・と思いました。
そして、『自分に言い聞かせること』では
自分でいることは安全です。そのままの自分を表現します。
とありました。
わたしは、自分の顔には複雑な思いがありました。子供のころから「可愛いわね」「あら可愛い」と言われ続け、最初に新聞に写真が載ったのは〇才で、路上電車に母と乗っていたわたしを新聞記者が見つけたそうです。タイトルは「街で見かけた可愛い赤ちゃん」こうして幼い頃から「可愛いわね」攻撃(?)にあっていました。それで、可愛いと言われると、なんだか嫌でした。そりゃ、褒められているんだろうからまったく嬉しくなくはなかったのでしょうけれど、ほっといてくれ!と思ったのです。わたしにはわたしの顔が見えない。それに、わたしが努力したりなにかした成果でもない。ただ、そうやって生まれてきただけのこと。それなのに、周りにいろいろ言われるとなんだかうるさかったですし、そこには、妬みや、見た目が可愛いんだから性格も可愛くしていろ、という無言のプレッシャーも感じたからです。高校に入学したら「可愛い女の子」投票という男子によって行われたわけのわからない投票でで一位になりましたが、わたしは思ったことは当時から言うほうだったので、それが噂になり「お前は口を開かなけりゃ可愛いのに」と男子たちに言われ続けて、ますますムカついてたりしていたのです。ひとを見た目で判断するなよ。
妙に注目されて妬まれたくない、という気持もあったのでしょう。日本社会は足の引っ張りあい社会ですから、内心怖かったのかも知れません。ひとと比べられるのも嫌でした。評価っていうのは上がったり下がったりするものですから。そしてなにより、わたしの表面ではなく内面を理解して欲しい、という気持が強かったのだと思います。子供のころから、わたしがなにを言っているかより、まず顔のことをいろいろ言われました。こっちが真剣に話しをしているのに「まつげ長いね〜〜」などと大人たちが言うのです。こいつら、ひとの話しも聞かないで、まつげか!?と、わたしは、まだ5才くらいでしたが、まつげをハサミで切っちゃったのです。これにはさすがに周りのおとなも驚いて、あまり言わなくなりましたけれど、相変わらず話しを聞いてもらえている気はしなかったのです。今度は、短くキレておかしくなったまつげに注目が行くし・・(笑)人間が、精神より見た目にとらわれることに、しかもかなり執着することに幼いころから敏感に感じていて、寂しさを感じていたのだと思います。
けれど、Louise Hayさんによると、これがわたしのいわゆる「顔」であり、世の中に出しているものなのです。わたしの内面性を知って欲しかったら、世の中に見せている自分=顔も大切にすることが必要なのではないか、と今牡牛座はわたしに気付かせてくれたのでした。(わたしの今年一年の上昇星は牡牛座)それに、この顔も肉体も授かりものです。顔中にできた湿疹は、きっとこれまで天にもらったものを虐めるように無視してきたわたしへの、「こら!」という天からの一喝だったのでしょう。世間に表現しているその顔を見よ、というメッセージだったのでしょう。そして、ひとがなんと思おうと言おうと、わたしはわたしのままでいいのだ、と。寂しさは人間につきものである、と。ベストを尽くせ、と。
現代社会においては、顔について悩んだり嫌な思いをするのはわたしだけではないと思います。美人であるとかないとか、スタイルがいいとか悪いとか、お金を持っているとか持っていないとか、そういう牡牛座の分りやすいところが人間の意識の大きな部分をコントロールしています。そして、本当に気持ち良いこと、美への感動を忘れがちです。牡牛座は自分の肉体、持っているモノ、お金、快楽、すべてを祝福し、そのままを受けることを教えてくれます。そして、そこには、精神性が宿っていることも・・・。
新月は明日のお昼です。今夜は、儀式をしてみませんか。月のサイト、Moon Circlesの記事にありましたが、敷物を敷き、外で摘んできた花を置き、キャンドルを灯し、お香を焚き、瞑想をする。そして、その花を持って良い香りのするお風呂に入り、出たら全身にクリームを塗り、肌に心地よいものを羽織り、また敷物のところにもどって瞑想する・・・。地球のありとあらゆる存在と自然の豊かさに思いを馳せ、恵みに感謝し、愛について思ってみる。瞑想の最後に、ひとつ、絵を描くか、詩を書くか・・なにかクリエイティブなことをする。(詳しいことは英語ですが、Moon CIrclesに掲載されています。でも、内容はだいたいこのようなものです。)
ちょうど庭には、香り高いジャスミンとツツジが咲いていますので、それを切ってこの儀式をわたしもやろうと思います。そして、この地球の存在すべてに思いを馳せ、その存在のひとつでもある自分の手入れをし、愛を祈り、今年一年の豊かな実りを祈ろうと思います。それにしても、世間に見せている顔を実は自分では一生見ることができないという、存在のアイロニーをわたしは牡牛座のアイロニーとして受け取り、考えさせられるのですが・・。やはり、それは、愛する相手という存在(天秤座)や、肉体と生と死を越えたところ(魚座)に鍵があるのかも知れません。それは、またいつか・・。
花が咲き乱れています。今夜は闇の庭に出て、花の匂いをかいでみませんか。あなたの本当の願いが姿を現すかも知れません。祈りの歌が聞こえてくるかも知れません。愛と美と肉体と芸術の牡牛座の新月です。
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Louise L. Hay
"You Can Heal Your Life"
以前にも紹介したことのある本ですが、体の部位によって、そのひとのこころのどの部分や記憶と繋がっているかが書かれています。そして、体に問題がある場合は、こころにも問題があるので、それを開放するにはどうしたらいいか、が書かれています。
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