先日、ユッスー先生のクラスの帰りに数人の女の子たちとコーヒーショップで長話しをしました。ダンスのこと、占星術のこと、NYのことなどなど・・そして、やっぱり生きるって大変だな〜と思ったのでした。みんな、一生懸命自分の幸せを求めて生きています。けれど、なかなか自分にとってなにが幸せなのか。自分の持っている性質だとか才能だとかはなんなのか、なかなか分らないで手探りで生きています。
わたしは占星術をやりますし、アメリカで知人や周りに優れた精神科医がいたので、ひとの内面性のことなどについては知識があります。それでも、自分が自分の苦しみに直面したときには、やはり大変な思いをします。つい先日も、昔の古傷に触れるような事件があり、胸が散り散りになりそうな思いをしました。実際は、傷を思い出させるようなことだっただけで、なにも起こっていなかったにも関わらず、「それっぽい」ことが起こっただけで、傷が全開で痛んだのです。自分を失いそうなほどにうろたえ、泣きました。時間が経ってとっくに忘れていると思っていたら、体とこころは全然忘れていなかったのです。
日本にいる昔からのヨーロッパ人の友人で、精神医学に詳しいひとに電話をしました。「苦しい・・・」彼は、静かにわたしの話しを聞いてくれました。話すうち、だんだん気持が整理され、実は自覚のないうちに深い傷がまだあったのだ、ということに気付かされました。彼は言いました。「その傷、癒えるといいね。」
体中が心臓になって全身が痛んでいるような気がしたくらい苦しんでいたわたしは「癒える」という言葉にこころ動かされました。突然のふいうちに慌てていて、癒やすことまで頭がまわっていなかったからです。けれど、冷静になってみたら、癒えるはずなのです。彼は言いました。「君のアキレス腱は癒えただろう?ちゃんと踊れているよね。それに、君はほかのことでもこころの大きな傷を癒してきた。今回も、きっと癒えるよ。そして、ボクはそう願っているよ。ひとに話しを聞いてもらうのも大切なことだから、いつでも電話してきてね。」
わたしはもう一度涙をボロボロこぼして「ありがとう」と言いました。
その後、自分を癒すために、いろいろなことをしました。大切なひとに電話して愛を確かめたり、傷に触れた人に会いに行ってきちんと話しをしたり・・・以前のわたしだったら逃げていたようなことを、やりました。ずいぶん楽になりました。これから少しずつ、傷が完全に癒えてジャンプできるまでがんばろうと思います。今は、足元もおぼつかない感じですが、足の怪我にオイルを塗ったりマッサージしたり、トレーニングしたり、用心したように、こころにも沢山ケアをしてあげようと思います。
こころの傷は、癒えます。傷跡は残るでしょう。わたしのアキレス腱の手術の後は残ったままです。けれど、サバールが踊れるほどに回復しています。今日もジムで汗を流してきました。そうして戻ってきたら夜のニュースで、テニス選手のクルム公子さんが、今年のウインブルドンに出場が決まった、と聞きました。彼女とわたしは、同じ医者に同じ怪我(アキレス腱の断裂)で診てもらっているし、彼女も年齢を重ねても体を使って生きていることで、いつも活躍のニュースは励みになっています。アキレス腱の断裂はスポーツやダンスのものには非常に難しい怪我です。それでも、わたしも彼女も回復したのです。あぁ、こころも回復する日が来るな、とニュースを聞いてなんとなくあらためて確信したのでした。
少し抽象的な話しになりましたが、みんな、どこかに傷を抱えて生きていることとおもいます。多くの人がその傷をなかったようにしているか、蓋をしてこころを閉じてしまっているか、わたしのように治っているとなぜか思い込んでいるようにおもいます。そして抱えた傷のために、恋をしたり、失敗をしたり、挑戦したり、いろいろなことをするのに、臆病になっているようにおもいます。けれど、そのこころをみんなが開いて癒す勇気を持てば、ひとりひとりが癒せば、もっと明るい世の中になるんじゃないかな、互いにもっと優しくなれるんじゃないかな、と汗を流したジムからの帰りに自転車を漕ぎながら思ったのでした。そしてそれには、まず知ったほうがいいのは、今回わたしも再確認したように『こころの傷も、かならず癒える』ということです。それにはいろいろな方法と処方箋がありますが、大切なのは、信頼できる話しを聞いてくれる人に話すこと、できれば体は動かすこと、傷から逃げないこと、傷を恥ずかしがらないこと。そして、癒えることを信じて自分のこころに耳を澄ませば、傷のためになにをしたらいいか、がきっと分るはずです。わたしも、自然に分りました。
風通しが良くなって、ちょっと胸のあたりがスースー言っていますが、ちょっと足元が不安でまだドキドキしていますが、そうやって今、あらたな一歩を踏み出しています。そして、わたしもみんなも、みんなみんな癒えると好いな、愛でこの世が満ちる日が来ると好いな、と思った今夜でした。
ももさん、
お久しぶりです。読んでいたら、じんわり涙が出てきました。気持を分かち合ってくれてありがとう。ぜひ、ももさんの新しい一歩のお話、お聞きしたいな
。
これからリハーサルです。喉をあたためて、行ってきます。
Hope to see you soon.
with much love,
makouta
投稿情報: makouta | 2009年6 月10日 10:27
お久しぶりです、makoutaさん。
水瓶座のももです。
ひとつひとつのことばをかみしめるように読ませていただきました。
あたしも昔、心に負った大きな傷を、それ以上の強がりをもってなかったことにしようとしていたことがあります。 それも無意識のうちに。 その傷がどれだけ自分に大きな影響を与えていたか、直視して治癒しないといけないか気づくのに、とても長い時間がかかりました。 自分の痛いところを見るのはつらい。 その傷口は、ぐじぐじで気持ち悪いかもしれない。 でも、ほうっておいたって治らないものなんですよね。
傷痕は残る… たしかにそうです。 季節の変わり目に古傷がしくしく痛むように、あたしの心に負った傷も、何もなくても、ふとしたことで痛みだしたりします。 でも、その傷があるからこそ、今のあたしがあるわけで、その経験があったからこそ、大事なことに気づくことができたということもあって。 そっとその傷跡をなでてみると、精一杯自分の足で立って生きぬこうとしてる自分がいとしくて。 もう痛い思いはしたくないけど、でもそこから学ぶものはやはり大きいんだなって新たに確認したり・・・ けがをするのも、そうそう悪いことじゃないなぁ、なんて暢気に思ったりして…
って、またいつものようにとりとめのないコメントになってしまってますが(苦笑)
傷は癒える。 激しく同感です。 このことを覚えておくだけで、どれだけ気持ちが楽になるか、前向きに物事考えられるか… あぁ、同じことを思ってる人がいるんだなって、とてもうれしく思いました。 そして、心強かったです。
今、あたしは新しいことにチャレンジしようとしています(あぁ、makoutaさんにぜひお話したい!!
)。 スタートラインから一歩進みだしたところです。 さて、これが吉とでるか凶とでるか、まだまったくわかりません。 でも、傷つくことをおそれずに、自分の信じる道をまっすぐとらえて進んでいきたいと思います。
あたしは信じてます。 makoutaさんの心の傷も、必ず癒えます。 そしてその傷が癒えたころには、makoutaさんの素敵な笑顔が、ますます輝きを増すんだろうな…
いつかまた、近い将来に会えることを楽しみにしていますね

長々となってしまって申し訳ありません。
くれぐれもお体には気をつけて…
ブログ、いつも楽しみにしてます!
With Love and Respect, もも
投稿情報: 水瓶座のもも | 2009年6 月10日 01:39