マイケル・ジャクソンの死は、昨日電車の中で知りました。反対側の席のひとが読んでいた新聞の一面に出ているのを見たのです。ほとんどのひとが同じ反応だったと思いますが、突然のことに一瞬信じられませんでした。詳細を知るのが恐かったのと、忙しかったので、今まで新聞もニュースも見ていませんでした。やっとNYタイムズの記事を読みましたが、もう、彼の体が言うことをきかなくなっていたんだろうな、と思いました。あちこちが痛んでいて、ずっと痛み止めを飲んでいたり、その痛み止めに中毒症状を起こしていたと書かれていましたし、精神的にも非常に大変な人生だったのは、外から見ていても分ります。
随分昔に、テレビで見た彼のパフォーマンスにとても感動したことがあります。アメリカにいれば、誰でもマイケルは身近な存在で、ジャクソンファイブ時代からの映像はみんな知っています。が、ある年のグラミー賞の番組で「Man In the Mirror」をゴスペルグループと一緒に歌う姿はそれまでみたものとはまた違いました。「このひとは、本当に魂のあるアーティストなんだ・・」と感動したのです。この歌を知っている人も多いと思いますが「世界を変えようと思うなら、まず、自分の姿を鏡によくうつしてみて、それを変えることからしよう」というものです。この歌を歌っていたのですが、英語でpossessedと言いますが、日本語だと歌の神さまに「取り憑かれた」とでもいうのか・・ステージの真ん中にうずくまり、ゴスペル隊の声をバックに完全にのめり込んで歌っている姿に、初めてマイケルの魅力を見たのです。
彼を知るひとは、彼の音楽や踊りへの誠実さ、プロ意識の高さ、そして優しさをみな言います。ただ、皮肉にも、彼は自分を鏡で見て黒い肌の自分を厭い、丸い鼻の自分を嫌がり、周りの白人社会に合せ、整形や漂白を繰り返し、変えなくても良いものまで変えてしまったのじゃないか、と思うのはわたしだけではないでしょう。けれど、今日読んだNYタイムズの記事にも、彼を40年以上追いかけ、彼の伝記を書いた MR.Brown というひとが「あれだけ大変な人生を、マイケルの他に歩むことはできなかっただろう」と書いていますが、きっとその通りだと思います。幼い頃からスターの道を歩き、数少ない黒人として白人社会の中で生き、富と名声と才能があるがゆえに得る、さまざまな困難もかかえたひとでした。膨大な遺産と借金の両方を抱えてなくなったそうです。たった50才でしたが、きっとひとの数倍以上の経験をしたのだと思います。ホントに彼にしか歩むことのできない人生だったのだろう、とつくづく思います。
これからも、彼の歌を胸に、周りに求めるより先に、鏡を見て自分をまず変えること、そして、鏡に映る自分を反省しても、決して憎んだり根本的に否定することだけはやめよう。そう思ったのでした。マイケル、安らかに眠っていることを祈ります。
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NYタイムズの「マイケルの歌でどれが好き?」の投票コーナーです。わたしは、Man In The Mirror に投票しました。どうなることでもないのですが、追悼の意を込めて投票しました。
菜月ちゃん!
コメントありがとう。
うん、その病気についてはもちろん公表されているし、整形のこともいろいろ話しは出ているのですが、結論として、やはり、病気の如何は別にしても、漂白はしていただろう、というのが大方のアメリカでの見方なのです。
わたしもそう思います。
その病気の黒人ひとには、わたしも直接会ったことが数人ありますが、マイケルの感じとは違うのです。
マイケルの出たウインフリーのショウは有名なもので、アメリカの最高視聴率を誇ったものでもありましたから、わたしだけでなく、アメリカ人のほとんどみんな知っています。
わたしももちろんリアルタイムで見ました。(確か録画もした記憶がある。その当時センセーションになったのです。)
その上での判断です。
なぜ、葉月ちゃんが彼は漂白していない、と断言できるのか・・それはわたしには分らないのですが・・もしかして会ったことある?(ないよね・・笑)
わたしには事実は分りません。
多分、本人とごく身近なひとと彼に関わっていた医療関係者にしか分らないのでしょう。(実はわたしはマイケルからしょっちゅう電話のかかってくるオフィスで以前働いていましたし、過去のことはあまりさかのぼりたくはないのですが・・彼と一緒に踊っていたダンサーとダンスチームを組んで踊っていたこともあり、結構身近だったのですが、直接お会いしたことはない)
けれど、彼の顔が80年代から徐々に変わっていったのはそれこそリアルタイムで見ていますし、どうしても疑いは拭えません。(それはジャネットも同じ)
だからといって、アーティストとしてのリスペクトをなくしているわけでもなく、それよりも、時代を反映し、光と闇、いろいろな意味でひとびとにメッセージを伝えるのがアーティストなのだな、とモーツアルトの生涯なども思い浮かべて思ったのでした。
彼の black or whiteという曲で「色のことでの面倒はもうたくさんだ!」というのも印象的です。
それに、アメリカに住むアジア人として、黒でもなく白でもないあたしゃなんなの・・・っていうのがアジア人としての立場でしたが、色については、非常に敏感なのがわたしも含めたアメリカの人間です。
ただ、オバマ氏の「素晴らしいアーティストであったと同時に、多くの矛盾を抱えたひとだった」というのが言い得ていると思いました。
けれど、アーティストというのは矛盾があってこそ、だともわたしは思います。
政治家だったら公の場でそれをされると少し困るけど・・(笑)
ですので、リスペクトを失ったわけではありませんので、ご心配無く。
人間、清濁混じりぬる、というのは以前叔母に聞いた言葉ですが、その通りだと思います。
特にアーティストはそれで良い、とわたしは思っています。
大変ですけどね、本人が一番・・・。
でも、コメントありがとう。
また、お会いしましょう。
Love,
Makouta
投稿情報: makouta | 2009年7 月10日 13:47
ども葉月です。
鼻の整形の発端は,ステージリハ中の転落事故とのこと。「整形」ではなく「形成」であると。繰り返したのは「メンテナンス」とも。まあ鼻だけではなく後に顎なども手を加えているので,メンテナンスのみではないと考えるのは無理からぬことですが。
しかし肌は,人工的な漂白ではありません。これは断言します。
【尋常性白斑】という病気(自己免疫疾患)です。
尋常性白斑について(日本語記事)
http://www3.plala.or.jp/vitiligo/information/information00.htm
英国のサイト
http://www.vitiligosociety.org.uk/
↑トップの動画に,黒人の女の子と男の子が出てきます。
目の周りの皮膚がまだらに色素脱失しているのがわかります。
About Vtitligo - Michael Jackson.
http://www.youtube.com/watch?v=4Gz4JlaDxTs
口の周りと手の色素が脱失した黒人の女性患者が登場。
に引き続き,オプラ・ウィンフリーショウの動画。字幕なし。
Michael Jackson vitiligo(日本語字幕あり)
http://www.youtube.com/watch?v=5QqRZpgzWtM
上記O.ウィンフリーショウの動画が日本で放映されたもの。
わたしの知人にも,マイケルを音楽的にリスペクトしていても,彼の白肌の理由を誤解している方が少なからず見受けられ,少なからず悲しくなりました。
>彼の音楽や踊りへの誠実さ、プロ意識の高さ、そして優しさ
をリスペクトする方にはせめて,このことを正しく知っていてほしいと思い,コメントしました。
またダンスクラスでお会いしましょう~ ヽ(・∀・)ノ
投稿情報: hadzki | 2009年7 月10日 00:36