つい、先日のこと。
バタバタしている時に限っていろいろなひとに遭遇して、いろいろ声をかけられる。
まず、隣りのおばさんが相談事。
次に、近所のおばさんが季節のお話。
それから、顔見知りの近所の若いお母さんが、小さな子どもを連れていて、つい立ち話に。
この若いお母さん、名前も知らないのだけれど、とても可愛くてわたしは好きで、ときどき話しをする。
三人目の子どもを身ごもっている。
木綿のワンピースに大きなお腹が突き出ていた。
一緒にいた二才の男の子が、パジャマを着て泣いたばかりの顔をしていた。
手には、アイスを持っていた。
どうしたの?泣いちゃったの?
と、聞くと、うん、と小さく頷く。
多分お風呂上がりなのだろう。
濡れた髪からほんのり子どもの匂いがした。
お母さんが笑って言った。
アイスを二つに割ってお兄ちゃんと食べさせようとしたら、小さなポッチがついている方が欲しい、って二人で喧嘩になっちゃって・・。
昨日もおとといも、お兄ちゃんがポッチのないほうを食べたから、今日は、僕がこっち!って取ったら、泣き出しちゃって。
ね?
二才の僕は、じっと黙ってポッチのないアイスを食べていた。
そうか・・そんなことで喧嘩するんだよね、子どもは。
わたしも小さい頃、妹とささいなことで喧嘩したな〜。
ポッチに涙するくらい真剣になるなんて・・・なんか可愛い。
涙のまだ残る、つるつるのほっぺにキスしてやりたかった。
でも、人間の争いやいろいろの摩擦の根源って、きっと、遠くの星から見たら、アイスのポッチくらい些細なことで、人間はそれに真剣になって騒いでいるんだろうな、と思う。
こっちの神さまのほうが正しくてそっちのは間違っているとか、ここはおれたちの領土だからおれたちがいいって言うまで入っちゃいけない、とか、誰も相手にしてくれないからムカついて殺した、とか・・・。
ポッチなんて、あってもなくても味は変わらないんだけどね・・。
宇宙のどこかで、誰かがそういっているような気がする。
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