二日続けてニューヨークタイムズをネットで久しぶりに読んでみた。
ネット新聞がアメリカは充実している。
コンピュータ−の所有率がアメリカが倍だからかもしれない。(数ではなく、率。数にすると4〜5倍になる)
日本のひとは携帯でいろいろ見るけれど、PCを所有しているひとが、圧倒的にアメリカより少ないし、ある年齢層を超えるとPCには触らないひとが多い。
アメリカの場合は、国土が広いので、家族がばらばらになると連絡を取り合ったり、会うのが大変になる。
東海岸から西海岸に行くのに、7〜8時間飛行機でかかるような国だ。
なので、60才や70才のおばあさんでも、子どもたちの様子をYou Tubeで見たり、メールの交換をしたりして利用する。
日本は狭いから、すぐにどこにでも行けるし、会うのも簡単だから、そんなにコンピューターがいらないのかも知れない。
歩けば、関東から関西まで1週間から10日間で行けるそうだし(笑)。
アメリカでオリンピックがどのように扱われているか・・それが見たくてタイムズ紙を見た。
最初に目に飛び込んで来たのが、ジャマイカやアフリカの選手たちの活躍。
そして、次にマイケル・フェルプス選手が今回のオリンピックで8つ目の金メダルを取得したことだった。
1つのオリンピックで、ひとりが8つの金メダルを取るのは初めてだそうだ。
いや・・すごいな〜と思った。
さすがにタイムズは、アメリカ一辺倒の記事ではなかった。
多くの国の選手を扱っていた。
日本や中国の体操選手、ジャマイカやアフリカの陸上選手・・など、国の境目なく優秀な選手を写真でも記事でもとりあげていた。(今日の午後のトップ記事は、中国の選手)
そして、写真の質がとても高いのが印象的だ。
アメリカの報道写真や写真一般の技術はとても高いものだけれど、ここまで違うか・・と、少しため息をついた。
メダルの数にしても、知識面にしても、芸術面にしても、アメリカは圧倒的だな〜と思った。
日本のメディアがメダルをいちいち数えるので、わたしが「なんかせこいね〜、日本は」と言ったら、甥が怒った。
「アメリカは人口がものすごく多いのだから、仕方ないじゃない」
いいえ・・・人口は倍ちょっとしかいないのです。
と返したら、びっくりしていた。
実際にアメリカの人口は、日本の2.5倍くらいしかいない。
対して国土は、28倍くらいある。
これだけで、国力というものがわかってしまう。
しかも、日本は、現在は経済成長率においては、日本より国土も資源も少ない韓国にも負けているそうである。
日本の政治家たちが、日本はこのままでは危ない、国力の回復を・・などと焦っているのも、いつまでたってもアメリカに追従しようとするのも、原因はこのあたりにあるのだろう。
けれど、今までのままでは、なんだかどうしようもない気がする。
みんな、数字と時間に追われて、精神的に追い詰められている。
朝早くから夜遅くまで働いて、皆が互いに競争して、助け合わず、話し合わず・・・子どものときからず〜っとそうだ。
余裕がない。
アメリカの夏は、のんびりしている。
ハンモックと、冷たいドリンクと、バーベキューと、浜辺の別荘と、新鮮で美味しい野菜と果物、というのがわたしのイメージである。
実際にわたしはそのように過ごしていた。
あぁ、ひとけの少ない美しい浜辺の散歩が懐かしい。
けれど、日本の夏は・・・スイカも、蚊帳も、川遊びも、静かに母親が子どもに団扇をあおぐ風通しのよい座敷での昼寝も・・この頃ではとんと見かけない。
大人も子どもも果物は食べなくなり、蚊帳なんて博物館入りの感じで、川は汚れているか一緒に遊んであげる大きな子どもは受験勉強で忙しくておらず、母親はパートに出て団扇を子どもにあおぐ暇もこころの余裕もない。
メダルが多ければいいとは思わない。
大体、多くの種目が欧米の基準に合せたもので(日本に平泳ぎは古来からあり、もともと得意だが、バタフライなどは日本の古来の泳ぎではないはず。また、セネガルのレスリングをやらせたらセネガル人は圧勝するだろうが、白人はすぐに負けるだろう。オリンピックのレスリングは白人のルールである。)オリンピックが本当に国際的なゲームになるには、時間がまだ必要だろう。
しかし、本当に国際的なオリンピックにするには、それぞれの国がまず、それぞれの国の本当の競技と幸せを知らなくてはならないだろうと思う。
国技であり、古来から神とともにある相撲レスリング(と、英語では呼ぶ。相撲はレスリングの一種)のレスラーでさえ、日本人の足腰が弱くなっていて、日本人横綱はもうこのごろ出ないのだ。
柔道はがんばっているけれど、柔道は日本古来のものではなく、それこそ国力を上げようと必死になった明治の軍国主義推進のなかで生まれたものである。
魂は、どこにあるのか・・・。
そこが、人口や経済力やGNPなどといった数字をベースにした「国力」よりも、先に考えることではないだろうか。
甥には、あまりにも複雑な問題なので、ここまでは言わなかったけれど、タイムズ紙を見てつくづくそう思った。
コメント