あたしは、最近嬉しい。
正月休みに向けて、世の中が静かになってくれているからだ。
近くの河の上の高速を走る車の数も少なくなったようだし、町全体が落ち着いている。
テレビ番組も、民放は見ていないからわからないけれど、少なくともNHKはトーンが落ちている。
環境問題の番組を長い時間かけてやっていたり、再放送を繰り返していたり・・
いつも新しい番組だとなんだかせっつかれているような気がするし、刺激的なものばかりだと疲れるから、ほっとする。
教育番組においては、夜の9時半には放送を終了している。
いつも、追いつけ追い越せ負けるな残されるな、でヒステリックなエネルギ−を出しているこの国全体が、少し息をついているのが感じられる。
そのせいでもないだろうけれど、おやじも、芸術家も、女王もこのごろ落ち着いている。
一時期は焦っていたようだ。
あれもしなきゃ、これもしなきゃ、大丈夫だろうか、ここはこうじゃなきゃ・・
でも、人生はなるようにしかならない。
息をゆっくりして、体の無駄な力は抜いて、風を感じながら生きたい。
最近はおばさんが奮闘して、あたしの願いを聞いてくれている。
朝、家中の窓を開け、顔を洗い、布を洗い、掃除をしたら、静かにお茶を飲む。
おやじと女王は「寒い!」なんて文句を言っていたけれど、最近は慣れたようだ。
布を外に干しに行くと、その日の空気が感じられるし、窓を開け放しておくと鳥の声も聞こえる。
そして、あたしは楽になる。
自然と笑顔が浮かんでくる。
ありがとう。
誰にともなく言いたくなる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・乙女
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