出るとき、東京は雨模様でした。区役所に行く用事があり雨合羽を着て自転車で行き、それから空港に向いました。予報も見ていなかったので、雨か〜と少し憂鬱でしたが万事スムーズに行きました。飛行機もそんなに混雑していなくて、隣りに誰もいない二人席をとることができ、横になって読書三昧しながら到着しました。「老師と少年」は3回読み、「加藤周一全集24」はほとんど読みました。着いた頃には睡眠不足もあってフラフラでした(笑)。
機内には制服を着た野球部の大学生が沢山いて、遠征だそうです。NYで観光してからアリゾナに行くと言っていました。マネージャーの女の子が観光スケジュールを見せてくれましたが、ヤンキースタジアムやシェアスタジアムなどの野球場とともに、グラウンドゼロ(テロで崩壊したワールドトレードセンター跡)も予定に含まれていました。あそこが日本人の観光地となっているようですが、いつも複雑な感情を抱くわたしです。世の中で起こっていることを見ようとする気持はとても大切だと思うのですが、一度に5千人近くのひとたちが悲惨なかたちで命を落とした場所です。東京大空襲のすぐ後にオーストラリア人とかが日本に来て「ここがかの有名な何万人も死んだところらしいよ」って言っているような・・。広島は、過ちを繰り返さない、という意味で博物館もあるし多くのひとが訪れますけど・・でもな〜んか、グラウンドゼロの場合、ひとの不幸が見せ物になっているような気がして、あるいは裏に政治的な作意があるような気がして、妙な気分になるのです。とりあえずわたしは、死んだ人たちの魂がさまよっているような気がして怖くてあまり近づけません。
ところで、こちらの気温はマイナス1〜2度。風が強くて体感温度はもっと低いそうです。ですが、空はクッキリ晴れていて、飛行機から見えたデトロイト近郊は美しい青空。(写真下)NYに到着した頃には夕闇に星が光っていてとても美しかったです。いつも泊めてもらっている友人宅まで空港から市バスで直行し、食事をいただき、そのまま小学2年の子どもが学校で教わったばかりの太陽系の星星の話をしてくれるのに相づちを打つうち眠ってしまいました。「木星はね、ガスでできてるでっかいヤツで〜、冥王星は太陽系の一番外にあってとっても小さいヤツ・・」(The Jupiter is the giant planet made of gas and the Pluto is a dwarf planet farthest from the Sun....) 「その通り、、、で、土星は?」(Yes, that's right... so what about the Saturn?)とかなんとか言っているうちにす〜〜〜〜っ
多分8時半には眠っていたことでしょう。いま、夜中の3時半で、日本時間の朝の5時半。完全に時差ぼけですが今回は適当に過ごしたいので、無理になおす努力はしないで、眠いときに眠って起きているときに活動するつもりです。と、言っても眼鏡と小切手を忘れたので、眼鏡屋と銀行には早急に行かなくっちゃならないですけどね
いつまで続くか保証のかぎりはありませんが、旅のご報告したいと思います。
クッキリカッキリの典型的アメリカ北部の冬空のデトロイト近郊。自動車産業が盛んな地域ですが、大不況のあおりで多くのひとが職を失っているのも同じくこの地域。このときの外の気温は零下4度。ひとびとはどんな思いで暮らしているのだろう、と思いを馳せながら雪の積もっている景色を空の上から見たのでした。
友人と子ども。一緒に学校に持って行くマフィンを作っています。それぞれの家庭が、持ち回りで教室に手作りおやつを持って行くのだそうです。「XXちゃんは、チョコレート食べないんだよね・・」とか言いながら作っていましたが、こうやってクラス全員分(24人)の手作りをすると、クラスメートの名前はもちろんのこと、好みまで分っていいんだな〜と思いました。友人も働いているので大変だとは思いますが、教育環境も生活環境も(彼女は朝8時半に家を出て毎日大抵6時には家に戻っている。職場は電車で5分。土日は完全におやすみ。お給料や保証制度も安定している。)余裕があって日本とはずいぶん違うな、と改めて感じました。
でも、親が学校に手作りおやつを持って行くのは、「典型的なアメリカスタイル」ではないわ。この学校がユニークなの。親が教室にいつも入ってるしね(笑)。というのが、この友人のコメント。
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