今日は、何人かのひとと話しをしました。なぜか、座っているだけで話しかけられたのです。このところ続けて珍しく早起きが続き、今日も満員電車に揺られ、殺気立った戦場のような駅を歩き、ちょっと頭がクラクラしていたのですが、、、
そのうちのひとりのおばさんは、日系ブラジル人だそうです。二世で、ブラジル生まれのブラジル育ち。夫が亡くなり、日本に来てみたのだそうです。そして日本に恋をしたそうです。なぜって・・・仕事があるからだそうです。娘を大学にやりたくて日本に来て働いて送金し、娘は無事に卒業して弁護士になったそうです。結婚相手も弁護で生活も安定しており、もう母さん帰ってきたら、という娘の提案も聞かずに日本にまだいるのは、仕事ができるからだそうです。
朝早くから夜遅くまで毎日働き、ひとのしたくないようなことも低賃金でする、と言っていました。主に老人介護をやっているそうですが、時給700円で月に50万にもなることもあるそうです。要するに、ものすごく働いているのです。
「不満はありません。感謝するだけです。」そう、静かに言いました。老人たちに歓ばれると、それだけでも嬉しいのだそうです。
それにしても、そんなに働いてお金を貯めてどうするんですか、と尋ねたら
「貯めたりなんかしません。甥や叔母や息子など困った人たちを助けているのです。わたしが働ける間は働きます。なんのために貯めなきゃならないのです?」
と、逆に言われました。
こころが洗われました。もちろん、わたしも貯めない派(派なんてあるのかどうか分りませんが、、、笑)ですし、ひとのためにもかなり使ってきましたが、こんなんでわたしの人生いいんだろうか、と思うこともあります。でも、おばさんと話してこころがすっと背筋を伸ばしました。生きている間は働き、困っている人がいたら助けてあげる。みんながそうしていれば、貯める必要なんてないのです。だって、このおばさんが困ったときはきっと誰かが助けるでしょう。
不健康きわまりない通勤電車に乗り、見た目だけは綺麗な仕事をして毎日嫌な匂いのする冷や汗かいて、誰かやなにかといつも争いながら、こころにもない言葉を吐き続け、愛する人と食事することもなく、体をガチゴチにして、お金を貯めることに必死になるよりは、家族、友だち、仲間を大切にし、愛の貯金をするほうがよほど人間の幸福のあり方だよね、、、改めてそう思い、通勤電車と忙しさでちょっとへこたれていたわたしの目の前に現れた、神さまの使いに違いないこのおばさんに感謝をして席を立ったのでした。
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