先ほど、ぼんやりベッドに横たわって、NHKの教育テレビの「福祉ネットワーク」を観ていました。疲れちゃってぼ〜っとしていたのです。通勤ラッシュに弱いのかも知れません(苦笑)
観ていて、「やっぱり!」とひとりで納得しました。愛知県の小児医療総合センターの心療内科の医師の話しの言葉にです。
「我が日本国になくて、どうしても必要なのは、性的虐待にたいする治療センターまたは救済の体制です。日本の女性はまるで性的虐待はないかのようにされいますが、実は、(多分虐待者の)4割に登る女性が受けています。」
だよね。
そう思いました。わたしの人生経験からも、周りを見渡しても、どう考えてもこの4割は正統であり、もしかするともっとではないか、とも思えるのです。そして、言葉や通りすがりの人からのものを含めて、性的な嫌がらせに一度もあっていない女性というのはほとんどいないのではないでしょうか。四国を歩いたときに、田舎の多くの家の門戸が固く閉ざされていて、その理由を聞くと、老人の女性が強姦される事件が相次いでいるので、そうなってしまっているのだと聞いて驚いたこともあります。
先週だったかに書いたブログの「病んでます」に、性的な嫌がらせについて書きました。すると、ある男性から「日本のスパムに関する情報はご自分で調べたほうがよいとおもいますので」とか「無責任な発言は一人歩きします」ちょっと嫌味なトーンの感情的なのコメントが来て、わたしは猛然と反論をしたのですが(笑)、日本の女性(いえ、世界の女性ですが、イスラム圏では性的な虐待はとても少ないと言われている)の多くが性的な虐待や嫌がらせを受けているというのが、わたしの経験からくる認識で、それを元にしたブログでした。そして、今日の番組の医師の言葉は、わたしの認識に数字的な裏付けをくれたのでした。
しかし、一番気になるのは、嫌がらせや虐待を受けているにもかかわらず、この医師も指摘しているようにタブー化され、まるでなかったことのようにされており、それだけではなく、それが女性の落ち度であるかのような社会的、いえ、男性からの攻撃と、時には女性からの態度があることです。隙があったに違いない、とか、ホントは気持いいくせに、とか、注目して欲しいからそんなカッコしているんだろう、とかいう、男性が性的欲望をコントロールできないことを女性のせいにする傾向です。そして、女性が少しでも声をあげると、フェミニストだとか、ヒステリーだとか、このコメントの男性のように「現実を謙虚にみろ」みたいなことを、いろいろ言われます。これが気になるのです。被害者を加害者にしたてて犯罪からのがれるというのは常套手段ですが、あまりにも悲劇だと思います。
それにしても、男にも女にも気付いてほしいのは、女は男のために生きているのではない、ということです。自分のためにまず生きているわけです。男に褒められたくてセクシーな恰好をするのではなく、セクシーな気分だからセクシーな恰好をするのです。中には、男に好かれたいから、というひともいるでしょう。けれど、それは先天的なものではなく、社会的にそう思い込んでいる人がほとんどです。女性に、もっと社会的地位があり、女性にもっと自由があり、女性がもっと「性的対象」ではなく人間として認められていれば、そんなこと夢にも思わないでしょう。別に男に認められなくたって・・全然平気でしょう だって、自分のセクシーさを自分で認識できるくらいの能力は持っていますから。まず、女性の独立したセクシュアリティがあった上での関係性が健全だと考えます。
しかしわたしは、アメリカでも日本でも、自分のしたい恰好をすると男の視線や言葉や嫌がらせに悩まされてきました。勘違いする男が山といるからです。NYの街角でも、東京や大阪の地下鉄でも、どれだけ嫌な思いをしたことか・・・なぜ、男は女が気持ち良く生きていると「オレのため」と勝手に勘違いして傲慢な態度をとるのか・・・女を人間と思っていないとしか思えないのです。もし、ある女をセクシーだと思ったら、魅力的だと思ったら、謙虚に「お相手していただけますか」と腰を低くすれば良いのに、相手にされなくても怒ったり暴力的にならなきゃいいのに、もっと自分を磨いて、女に好かれる男になる努力をすればいいのに、なぜか逆ギレしたり、無理強いする。ネコや犬やトリができる、相手の性を尊重する、ということを人間の男はなぜか出来ない・・。
女は体が小さく、腕力がないというだけで性的対象にされても当たり前となっている、肉体的弱者の人間的尊厳は無視される、この社会に憤りを禁じえません。そして同時に、それに気付き、なんとかしなくてはならない、と、マイナーな番組であれ、全国ネットで訴えた男性医師の存在に少し救いを感じました。(聞き手の男性アナウンサーは、この重要なメッセージはサラリと無視してましたけどね・・NHKの限界かも知れません。)そして、ますます思いました。
女は黙っていてはいけない、とね。
未来の子供たちのためにも・・・
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